二輪車の潤滑装置

■ 4サイクル・エンジンの潤滑装置 ■

 


 

 


潤滑装置とは・・・

エンジンの各しゅう動部や回転部分にオイルを供給して、オイルの潤滑の働きによって各部の摩擦抵抗を減らし、エンジンの機能を十分に発揮させると共に摩擦や磨耗からエンジン各部品を守る役目をしています。

潤滑装置には、全流ろ過圧送式と分離潤滑式とがあります。

全流ろ過圧送式は、4サイクル・エンジン(4スト)に使用され、分離潤滑式は2サイクル・エンジン(2スト)に使用されます。

下の図は全流ろ過圧送式です。

 

バイクの全流ろ過圧送式潤滑装置

 

エンジン・オイルの流れは、図の矢印の通りです。

オイルポンプで吸い上げられたオイルは、まず、ストレーナーで大きな異物、ごみ等が取り除かれた後、オイルフィルターで細かな鉄粉やごみが更にろ過されて異物が取り除かれたオイルがエンジン各部を潤滑します。

 

この時、オイルフィルターの交換やオイル自体の交換を怠っていて、オイルフィルターが目詰まりを起こしていると、

オイルはオイルフィルター内部のフィルターを通らずに、バイパスバルブからエンジン各部へ圧送されます。

フィルターを通らない・・・ということは・・・

細かな鉄粉やごみがそのままエンジン各部へ送られてしまうということです。

バイパスバルブ・・・バイパスバルブはフィルターが目詰まりした場合に、エンジン各部へオイルの供給が断たれないようにするための緊急用バルブです。

通常は閉じていますが、緊急時に開いてオイルの供給を妨げないようにしています。

 

 

オイル・ポンプ・・・オイル・ポンプにはリリーフ・バルブが備え付けられていて、エンジンの回転数が上昇してポンプからエンジン各部へ圧送されるオイルの圧力(油圧)が規定値以上になるとリリーフ・バルブが作動して、余分なオイルをオイル・パンに戻すことで油圧の調整を適正に行っています。

オイル・ポンプの種類にはトロコイド式とギヤ式がありますが、ここでは自動車・バイクに多く使用されているトロコイド式について説明します。

 

 

トロコイド・ポンプは上の図のように・・・

ポンプ・ボディー、アウター・ローター、インナー・ローター、ポンプ・シャフトなどで構成されています。

ポンプ・ボディー内には、ギヤ数の異なるインナー・ローターとアウター・ローターが偏心(オフセット)して組みつけられていて、クランクシャフトの駆動力を利用してインナー・ローターが駆動され回転し、これによりアウター・ローターが回されます。

 

下の図のように・・・

インナー・ローターが回転すると、アウター・ローターも同方向に回転させられますが、ギヤ数及び中心が異なるため、ギヤとギヤの隙間に出来る空間は、図の左から順番に変化します。

 

 

一番左の位置(吸入開始)では吸入口におけるインナー・ローターとアウター・ローターとのギヤの隙間は段々と大きくなっていき、そのため負圧が生じると共にオイル吸入口からオイルが吸入されます。

ローターが回転して二番目の位置(吸入)に達すると、隙間はさらに大きくなってオイルで満たされます。

ローターが更に回転して三番目の位置(吸入口閉・吐出口閉)に達すると隙間は最大になって、次第にオイル吸入口からずれて吐出口に接するようになります。

ローターが四番目の位置(吐出)では、隙間がどんどん小さくなるのでオイルは吐出口から送り出されます。

以上の動きをアウター・ローターの5つの溝で同時に、そして繰り返し行われ続けることでオイルがエンジン各部の隅々まで行き渡るのです。